寸法立体 -AOYAMA STUDIO-

会場であるAOYAMA STUDIOに設置されている物の寸法数値というデータと、その平面的表現である寸法図を立体化・実体化させたインスタレーション作品。
 
作品を制作する際に途中の作業工程で用いる設計図や作品の寸法図面を作成すること、あるいは会場の建築図面やその採寸を必要とすることが多々ある。それらは本来作品が出来上がるうえでの副産物に過ぎないのだが、次第にその図面や寸法というデータそのものに興味を持つようになり、そこに主題を置いて展開させたものがこの作品である。
 
寸法、図面というのは物の大きさや形を示したものであるのだが、実際に実物を目の前にした時にはその寸法数値や図面にある形が見えるわけではない。目の前にあるそのものよりも図面からの方がその物の形体などを把握することができるというのは、なんだか歪な感じがする。 

AOYAMA STUDIOの中でもひときわ存在感のある大きな柱。

通常であればできるだけ柱が気にならないような展示設計にするところだと思うが、逆に注目をさせる意図でモチーフとして設定した。実際に寸法を測ってみると幅と奥行きの数値に若干の差があり、天井も梁の手前と奥とで高さが違っているなど、スペースの管理側も知らなかったような発見があった。

ライト

照明や机、椅子など、AOYAMA STUDIO内にあるものはどれもこだわりを持って選択、あるいは制作されているものばかりである。
このライトは歴史あるデンマークの高品質家具ブランドの製品で、AOYAMA STUDIOのセンスを象徴している要素のひとつに感じられた。

テーブル

COVID-19の感染拡大が懸念される状況下での展覧会であったため、アルコール消毒液の設置は必須であり、このテーブルも必然的に来場者の目に触れるものとしてその存在価値が強調されていたように思える。
平時であれば今回のようにモチーフには選ばなかっただろう。

加湿器リモコン

AOYAMA STUDIOでは、構造用合板がインテリアの要素として活用されている。
加湿器やエアコンのリモコンも、この合板を土台として設置されていた。
スペースの区切りに対応してリモコンの配置も分けられていたのだが、ひとつだけぽっかりと空いている空間がありそこに作品を当てはめた。

マグネット

スタジオ入口の掲示板で使われているマグネット。
来場者に気づかれない可能性の高い作品だったが、このような遊びも必要だと考えモチーフとして選択した。

サイズ:展示空間に依存 素材:木材、樹脂 制作年:2020年

出展:FUJIHANE×C-DEPOT RESURRECTION -その後の世界のアートと社会-