寸法立体 -バーコマド・1階-

この場所にはかつてアパートが1棟建っていたのだが、現行の建築基準法ではここに新たに建物を建てることは許されず、そのアパートが解体されて以降現在も手つかずのまま、空き地の状態が続いている。
この空間を活かす方法はないかと考えた時、実際の建物を造ることはできないが、その前段階で必要となる建築図面を模した、いわば【建物未満】のものを出現させるのではどうか、と思いたった。
 
【建物未満】のモチーフとして選んだのは、熱海市中央町にあるバー、「コマド」。熱海に現存する遊郭建築のひとつで、築70年を超えるこの建物の間取りも、今の建築基準法のもとでは再現ができないものとなっている。
 
「時代が進むにつれて、社会のルールから外れることとなってしまった」という共通する背景と、それぞれの空間の持つ視覚的な強さに魅力を感じ、これらを掛け合わせたインスタレーション作品を展開させるに至った。
 
小窓部分のみをモチーフにした作品が、現在も「コマド」で展示されている。

サイズ:H430×W320×D290(cm) 素材:木材、アルミ 制作年:2023年

出展:ATAMI ART GRANT 2023